(更新日:2007年2月1日)
Alfaromeo Giulietta Spider (アルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダー)
アルファロメオの最も魅力的なオープンカー。それはジュリエッタ・スパイダーだろう。発表は1955年で、最初1300ccでデビュー。そのあと62年になると、排気量が拡大するとともに、ほんの少しボディが大型化したジュリアへと変わるが、この2つのモデル、ピニンファリーナのデザインで、曲線をうまく活かしたコンパクトな2シーターとして、いま見てもかなり魅力的な存在といえる。
僕が1958年型のジュリエッタ・スパイダーに乗っていたのは、自動車雑誌の編集部にいた1990年代。超円高で1ドル=82円ぐらいの時にロサンジェルスまで行って購入した。1万ドルだったので、82万円。安い買い物である。

売り主は、もとアウトデルタというアルファロメオのレーシング部門でメカニックをやっていたイタリア人で、ロサンジェルスに移住してイタリア車専門のガレージ(整備工場)に勤務していた。アルファロメオのことはよくわかっているというふれこみで、彼からはおもしろい話しをいくつも聞いた。

ジュリエッタ・スパイダーは、おもしろい乗り味のクルマで、コーナリングなどはグニャッというかんじで車体が外に傾き、大きなロール姿勢のまま踏ん張って曲がっていく。その理由はゴムと革バンドを使ったユニークな設計のリアサスペンションにあるのだが、これは1990年代まで生産されたスパイダーにまで引き継がれた。

エンジンはたいして力がないが車重が800キロ台だからそれでも比較的軽快に走るし、ブレーキも径が小さいアルフィンドラムというタイプだったがそれでも不安なく制動が出来る。よくスポーツカーは軽さが命というが、車重が軽ければすべての部品が軽量化できるということが、ジュリエッタに乗っているとよく分かる。

ホロの開け閉めはもちろん手動だが、比較的簡単だ。こちらも大変ユニークな設計で、シートバックを前に倒して、後ろの空間から引き出すようになっている。骨組みの設計が凝っており、引き出す過程で、ホロが組み立てられるようになっていて、あとはレバーでウィンドシールドに固定すればよい。

映画「ジャッカルの日」を観たひとは、主人公が同じクルマに乗り、走りながらホロを片手で引き出すシーンをおぼえているだろうか? あれは現実には無理だが、さっとホロの開閉ができるのがスマート、というスタイリッシュさは、デザインとスタイルの国のクルマらしいのである。(続く)
小川フミオ
(次回は2007年3月の更新予定です)